妄想ストップ!!
数年前のある日のこと、
私はあるお店でランチをしていました。
店内には、女性の店員さん4人。
繁華街の中にあるその店は、お昼時という時間もあって、まあまあの混み具合。
ランチを終えて席をたち、会計をしようとレジの前にたった私は、そこであることに気づきました。
レジで対応してくれている店員さん1人以外の、3人の店員さんが、厨房の前に集まって、こちらをじっと見ていたのです。
それに気づいた私は、急に居心地悪い気持ちになって、それからこう思いました。
「あれ? なんで私を見ているの? 」
「お店はまあまあ混んでるのに、厨房の前で3人で固まってこっちを見ているって、どういうこと? 」
「今日の服装、変だったかな……」
「変なこと、したかな……」
私は何だかモヤモヤしたまま会計を済ませ、
そして逃げるようにお店の外に出たのでした。
ちょうどその日はその後、恒美さんと会う約束があり、色んなことを話した後に、何気なくこの話をしたのです。
すると恒美さんは、こんな話をしてくれました。
「事実はこっちを見ていた、目があった、それだけだよね?実際に何かを言われたわけではないんだよね?
色んな考えが出てきている時、その時に目をつぶってみて。
目の前の状況を見るのをシャットアウトして、それで浮かんでくる考えは、妄想だよ。その妄想は、そこでストップしてね」
うーーん……そうか……
確かに、服装が変だったかなとか、変なことしたかな、っていうのは、
全部私の想像に過ぎなくて、店員さんたちからそう言われたわけではありません。
こうして、あれこれ想像するのは妄想に過ぎないし、その上、その内容も自分にとって心地よくないものだったら、意識してストップした方がいいですよね。
「そうそう。
それにもしかして、彼女たちはともこさんのこと、『綺麗な人だな~』って見てたのかもしれないよ」
………………
恒美さん………
それはないな……
「でもね、どうせ妄想するなら、こっちの方がいいよ!この方が、色々なことを引き寄せるから! 」
………
この話を聞いてからしばらくの間、
私は、漫画の白鳥麗子のようになりたいと
強く願っていたのでした……