新しい時代の椅子取りゲーム
ある日のこと、移動中の電車の中で午後の天気を調べようと、スマホであるポータルサイトにアクセスしました。
天気を調べた後も、時間があり暇だった私はそのままそのサイトのニュース記事をぼんやりと眺めていたのです。
そこでふと、こんな言葉が目に留まりました。
「○○がフリーに転身! 果たして椅子取りゲームに勝利できるか」
読んでみると、大手の会社に所属してメディアに出ていた人がフリーに転身するけれど、
業界で座れる席は限られているから、果たしてその席に座れるのか、つまりはその人が今後必要とされて生き残っていけるのか? といった内容が記事の主旨でした。
椅子取りゲームって、知っていますよね?
椅子取りからあぶれた人が脱落して、
最後まで椅子を確保し続けた人が勝ち残っていけるゲームです。
こんな風に「限られた席に座れた人が勝者」というのは、
今までの「縦社会」の在り方のイメージです。
恒美(ひさみ)さんは、これからの社会は横社会になる、と言っています。
それは、限られたポストに人を当てはめて行く今までの縦社会と違い、
それぞれが必要とされ、その個性の代わりはいないという状況が、
誰しもに起こる社会なのだそうです。
そうすると、この記事に書かれたフリーになる人も、
フリーとして活動する事が自分らしくより本質に沿っているならば、
「限られた席に座ることは出来るか」ということは考えることは必要なく、
必要とされその個性の代わりはいない、ということになっていくはずですよね?
私はミーティングの時に恒美さんにこのことについて聞いてみました。
恒美さんの答えはこうです。
「椅子取りゲームと言えば………
子供の時、このゲームをする時に、いつもどうぞどうぞって譲ってた。
それから人数分だけ椅子を用意したらって提案してた」
これを聞いて私は大爆笑です。
その光景を思い浮かべると、なんだかとっても可愛い。
そして、なんだかとっても恒美さんらしい……
「それじゃあゲームにならないよ、って言われなかった? 」
って聞くと、
「うん、こういうルールなんだよ、って教えてもらった」
恒美さんがニコニコして答えます。
面白いなぁ~
その場に立ち会いたかったなぁ。
恒美さんは続けます。
「確かにね、今までの時代は『自分が勝ち上がって一番になる』これも楽しくてワクワクしたの。
地球がそういうエネルギー循環だったから。
でもね、私は椅子取りゲームをするたびに心の中ではいつも、
自分が座れる椅子があったらみんなもっと安心できて、
音楽に合わせて自由に動けて楽しいのになと思ってた。
そしてね、これからはもう違ってくるよ。
仕事など社会の中で「自分が勝ち上がって一番になる』これをやると、
どんどん苦しくなってくる。
今は変化の途中だから、まだまだ苦しくなってしまう時もあると思うけど、
そんな時は自分にこう言ってみて。
『椅子取りゲームはもう違うんだ』
『自分の椅子があるんだよ』
そしてその後、こう付け加えてみて。
『どうしたら自分自身の可能性が広がっていけるだろう』
この投げかけた問いかけが、これからの自分の可能性として広がっていくんだよ」
恒美さんの話を聞いて思ったのは、
彼女の提案した可愛い椅子取りゲームは、
「これからの新しい時代の椅子取りゲーム」なんだな、
ということです。
新しい時代のエネルギーの変化に、
まだまだ自我の意識が追いついていけないことも多いですが、
何かの時には、
「新しい時代の椅子取りゲームには、一人一人に必ず椅子がある」
この事を思い出してみてくださいね。