親になってみて思うのは、子供の幸せを願うあまり、ついつい「子供のために」を強く思って不安になってしまうということです。

そんな時は、自分にこう問いかけると良いと恒美(ひさみ)さんは教えてくれます。

「この悩みは、誰が経験する悩みだろうか？　」

例えば

「この受験の悩みは、誰が経験する悩みなんだろう? 」

この問いかけに対する答えが

「子供が経験する悩みだ」

である時、心の中は心配でいっぱいでも、

「子供は全ての経験から、自分の可能性を探して行ける」「自分の人生を切り拓いて行ける」

と気持ちを切り替えていくようにすると良い、と恒美さんは言います。

「こうなったらどうするの？　」

という不安は、親の経験からくる個人的な一つの結論だったり、親の想像だったりの「押し付け」です。心配する通りになるとは限りません。

また、親がいつも心配するとそれが子供に引き継がれ、新しいことに挑戦する時、子供自身がいつも不安を循環することにつながるそうです。

「こんな経験したらどうしよう」「こうなったら困る。だから止めておこうかな」

これからの「自分の個性を楽しむという時代」に、子供がこんな風に萎縮してしまったら、胸が痛くなってしまいますよね。

恒美さんは、子供に対しての不安が出てきた時に、次のことが大切だと言います。

「いくら『こんな経験をしたら可哀想』と思っても、子供の生涯に渡って全部守り通すことはできない。

だから『して欲しくない経験で傷つくことを心配する』ことから『どんな経験からも成長していけると信頼する』ことへと、意識の転換をするの」

恒美さんが、親が子供を信頼するという状態をエネルギーで視るとき、ものすごく大きな愛の塊の中に子供のエネルギーがすっぽり入って循環して視えるそうです。そしてこの循環をしていると、子供の自分自身を信頼する意識が知らず知らず育っていくとのこと。

けれど、親が心配で見ている時は、子供とのエネルギー循環がよく視えなくて、そこに細かいエネルギーのラインが視えるそうなんです。この細かいエネルギーラインというのは自我の意識であるマテリアルマインドのエネルギーであり、親自身の作るストーリーの中で「自分の経験がこうだったからそんな経験させたくない」とか「こうなったらきっとこの子の性格として傷つくから」とか、親自身の心配がクローズアップされている世界なのだそう。

これは前述のように、やがて子供が萎縮してさまざまな事に挑戦できないことへと繋がる可能性が大きくなってしまいます

「親がどんな状態の子供も応援してくれる🟰子供が自分自身を信頼する」これは人間の基盤になります。

こうなると子供は失敗を気にせず、安心して自分の可能性を追求して行けます。親子関係も良いものになっていくのだそう。

こんな風に失敗を失敗と思わない、いわば「失敗というものがない子供」になって、いつも自分の可能性を楽しめる子供になるかどうかそれは目には見えない親のエネルギーの循環にかかっているということなんですね。

恒美さんからここまでの話を聞いて私は、「もっと早く、子供が小さい時に聞きたかった～！　」とちょっと泣きそうになりました。

だってもう、息子はだいぶユニークに？仕上がりつつある状況です……

恒美さんにそう言ったら「手遅れなんてないよ！　だって毎年毎年、その年の子供の親は初めての経験でしょう？　」との返事が。

今年子供が20歳になるなら、この子供が20歳の時の親になるのは初めての経験です。その時「その年の子供に対して、今年はどんな子育てをしようか」と考え、毎年毎年、親として成長するのはとても大切だとのこと。

例えば、今年30歳になる娘が結婚して家庭を持ったとしたら、自分の子供であってももう独立した一つの家庭を持ったわけだから、信頼して良い距離を取るように心がけて、自分が家庭を持った時の価値観をできるだけ押し付けないようにする。今年の子育ての目標はこれにしようと意識する、とか。こんな風に子供の成長と状況に合わせて毎年親も成長し、そして手遅れということはなく子育ては続いていくということなのです。

子供が子供らしく生き生きと自分の人生を生きて欲しい、この親の願いは子供が何歳になっても変わりません。

「自立して、自分で自分の幸せを循環できる。これが人間としてのゴール」恒美さんはそう言います。

私はこの言葉を聞いて、確かに、子供に対するこれ以上の望みなんてないなぁ…と強く思いました。

そして、子供がいくつになっても、子供が自立して自分の幸せを循環できるようになるためにはどんな子育てをすれば良いのだろう、と自分に問いかける子育てには手遅れというものはない……恒美さん、本当にそうだね……

読んでくださる子供さんをお持ちの皆さんに、今回のこのお話が少しでも参考になったらとても嬉しいです……