痛みは記憶に変わり、アルバムにおさめられる
恒美(ひさみ)さんが折に触れて話してくれる沢山の言葉は、いつも心の中でキラキラと輝いて、
気付きに導いてくれたり、不安な時を支えてくれたりします。
ある時、過去の心の傷や痛みについて、
こんなことを話してくれました。
「傷や痛みが癒えると、過去を振り返った時にまるで古いアルバムを眺めるようになる。
こんなことがあったなあとその時の記憶は思い出すけれど、もうその痛みの感情はないから」
皆さんには、
過去の傷ついたこと、許せなかったことなどが不意に思い浮かんで、
その度にまた傷ついたような気持ちになったり、
怒りが湧いてきたり、そんな経験ありませんか?
私には沢山沢山ありました。
そんな過去が出てくるたびに、毎回毎回、
苦しくなったり辛くなったり腹立たしく思ったり。
もう過ぎ去った過去なのに。
その時の相手は目の前にいないのに。
でも、この話をしてくれた時、恒美さんが
「過去に力を与えているのは、いつだって今の自分自身」
と教えてくれたのです。
なのでそれ以来、過去の心の傷や痛みが出てくる時は、それらがアルバムに収まるように、
「過去には力がない。過去には力がない」
と唱えるようにしてみました。
そうしているうちにある時、
思い出したとしても、今の自分が一喜一憂していないことに気づきました。
痛みを感じていた記憶はあります。
けれど、それは自分が出ているドラマから抜け出して、そのドラマを見ているような、
余裕がある感じです。
その時、恒美さんが言っていたのは、こういうことか……と、その言葉が体感できたのです。
振り返って、あんなこともあったなあと思う自分には、もう生々しい痛みはありません。
痛みは記憶に変わり、自分の心のアルバムに収められたのでした。
こうして私は、
以前より怖がらずに、痛みがある過去も見ることができる様になった気がします。
皆さんも、過去の傷ついた出来事を不意に思い出してしまい、生々しくその痛みを感じるようなことがあったら、
「過去には力がない」そして
「痛みは記憶に変わりアルバムを眺めるようになる」
この2つの言葉を思い出してみてくださいね。