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目まぐるしく変化する世界の中のブレない軸

アメリカのビジネスコンサルタントであり作家のジム•コリンズ氏は、
「偉大な企業を動かしているものは何か? 卓越した業績に飛躍できる企業と、それができない企業との差は何か? 長く続く企業とそうでない企業の違いは何か?混沌の中で繁栄できる企業の特徴は何か? 」
ということを長年の彼自身の探求の目的としていたそうです。

この問いに対して、彼が見出した答えの一つが
「基本理念を保持し、進歩を刺激する」
という考え方でした。

土台となり錨の役割を果たすもの、目まぐるしく変化する世界で指針となる原則•芯となる基本理念がなければ、いかなる企業も真に偉大な企業になれないし、
一時的に高い業績をあげても、いずれ傾く。

同時に、大きな目標の追求を通して、進歩、再生、向上などの変化をしていかなければ、いかなる企業も偉大なままではいられないのだと。

これを本で読んだ時、私は、
「スピリットマインドの意識になっているときの感覚に似ているな」
という思いを持ちました。

基本理念を保持する事と、進歩を刺激するという、真逆のような命題を両立させて、
一つ高い別の視点の解を導き出す。

ジム・コリンズ氏が述べているこんな「魔法の弁証法」を自然とできるようになるのが、スピリットマインドの意識です。

特に前半の「基本理念を保持する」というのは、
スピリットマインドの意識でいることによって、
自分の中の「ブレない軸」として
誰しもが体感できるところではないかと思うのです。

とにかく文字を読むのが好きな私は、
ある時、無作為にただ情報を入れているだけだと、そのうちに情報に溺れてしまうのではないか、という感覚を感じました。

スピリットマインドの感覚を理解する前の私は、
自分の芯がなく、目まぐるしく変化する出来事に捉われて、どうしていいいか分からないと感じることが多かったのです。
これは、とても心もとないことでした、
その心もとなさには、いつも不安と恐れがつきまとっていました。

これが行き過ぎたら自分にとって良くない、となんとなく思った私は、
それからしばらくの間、情報に触れないようになりました。

ところが数年前、自由に情報を自分にインプットしても大丈夫だ、
と、ふとした瞬間に確信したような感覚がありました。
自分はもう大丈夫、情報の海に溺れたり自分を見失ったりしないだろうと。

それは、今の私が、シンプルかつ普遍的なスピリットマインドという視点を持てるようになったからだと思います。
このブレない視点が軸となっているから、安心して情報の海を自由に泳いでも良いのだなと感覚的に思えたのです。

実際にスピリットマインドの意識の在り方でいる時、外の世界で目まぐるしく変化が起きているのを見ても、何かどっしりと意識が安定しているのを感じます。

その時の在り様は、ジム•コリンズ氏の言う
「土台となり錨の役割を果たすもの、目まぐるしく変化する世界で指針となる原則•芯となる基本理念を保持する」
という表現がぴったりです。

恒美(ひさみ)さんは
「スピリットマインドは、起きてくることをどうにかしようとする意識ではなく、
起きてくることを大きな視点で見て、何が最善か分かる意識」だと言います。

「これは、起きてくることに対して、どんな意識でいると広がりを保てるかが分かる、ということであって、起きていることや起きてくることをコントロールしようということではない」とも。

起きていることやこれから起きてくることをコントロールしようとする意識には、
どうしても不安などの恐れがつきまといます。

けれど、何かが起こっても何が最善か分かる意識には、ブレない、流されない、どっしりとした軸があります。

これは個人の生き方だけにとどまらず、
経営の在り方にも共通して言えることなのではないかと思うのです。

最初私が意識の進化に足を踏み入れたのは、
ただただ生きづらさや苦しい感覚をどうにかしたい、というそれだけが理由でしたが、

こんな風にスピリットマインドの視点が、
個人的なことだけにとどまらず、
ビジネスや社会の状況に当てはめられるのを発見するのは、とても興味深く面白いのです。

 

 

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