これからの子育ては「親の欲求を心の底から諦めること」
今、未来がどうなっていくのか分からなくなってきている、
と恒美(ひさみ)さんは言います。
これまでの時代は、過去のことを参考にして、
未来に対策するのが当たり前でした。
なので私たちは、例えば個人レベルで言うと勉強して学歴をつけようとしたり、
キャリアに役立つ資格を取ろうと思ったり、色々と未来に備えた行動をしてきました。とにかく子供には勉強をさせなきゃ、と思う親は多かったと思います。
ところが、今、私たちの学びは、
この瞬間に生きることにシフトしつつあるそうです。
それと共に、マテリアルマインド(=自我の意識)の持つ価値観が崩され始めていて、私たちは新しい自分を作る段階にいます。
マテリアルマインドは、「AならばB」という思考をします。
例えば、「この成績ではこの学校に受からない」などです。
こういう思考がこれからどんどん壊されていくそうです。
なので、過去に基づいた思考とか、自分の中に展開する「こうなっちゃうかも」という起こってもいないドラマ(こうなっちゃうかも、という思考が作るストーリー)に意識を置くと、これからとんでもなく苦しくなっていくそうです。
こんな時代の流れの中で、ただでさえ漠然と不安を感じることの多い子育てを、
私たちはどうしたら良いだろう、とある日ふと思いました。
振り返ると私の子育ては、不安しかありませんでした。
息子は幼い頃、情緒的な発達がゆっくりな子供でした。
小学校に入った時、担任の先生に
「息子さんは同年代の子供たちより3~4歳くらい幼いですね」
と言われました。この時期の3~4歳の差は決定的です。
やはりいじめられることがとても多く、毎日不安でいっぱいでした。
でも当時はどうしていいのか分かりませんでした。
読んでくださる皆さんの中で、子育てされている方はどうですか?
私の周りにいる今子育てをしている人たちに聞くと、やはり多かれ少なかれ不安を口にする人が多いように思います。
もちろん、楽しく子育てをしている人もたくさんいると思いますが、
子育てに全くなんの不安を感じない、という人に私は会ったことはありません。
そんな不安が付きまといがちだけど、でもとても大切なテーマである子育てについて、
恒美さんに聞いてみました。
まずは子育てに不安があったら、
「こうなっちゃうかも、こうなっちゃうかも」を
全部感じるようにすると良いそうです。
例えば、先ほどの例で行くと、
「こんな点数でこんな成績では、きっと行きたいこの学校には入れないかも」
とか。
こんな風に不安を感じ始めると、頭の中で次から次とドンドン思考が出て、いろんなドラマ・ストーリーを展開していきがちですよね。
そんな時は次のようにするといい、と恒美さんは言います。
「不安は全部無批判で聞いてあげると、流れて落ち着いていくの。
不安の思考を吐き出す前に収めようとするから、
エネルギーが誤作動を起こして苦しみの世界が展開してしまう。
聞く時には、自分の中にもう1人の自分を作ってみてね。
そしてそのもう1人の自分が不安をただ無批判に聞いてあげる、ということをしてみる。自分の中でコミュニケーションをするクセをつけるといい。
『あ、そうなんだ、今回の点数だけで将来のことまで決まっちゃう? 』
こんな感じで自分の不安に対して批判的な態度ではなく、肯定的に受け止めてリピートしながら、そしてビックリしながら疑問形で、ただただ聞いてあげて。
この、不安を聞いてあげるもう1人の私が、魂に繋がったスピリットマインドの意識なの。
点数が取れなかった経験も、点を取れない経験をしてみた。ただ、それだけ。
点が取れない気持ちがそれで分かる。未来は何も確定していない。
そして気持ちが落ち着いたら、この言葉を自分に言ってみて。
『子供に対する自分の欲求を、心の底から諦めよう』
って」
この「親が子供に対する欲求を諦める」ことについて、恒美さんはさらに説明してくれました。
「これからは、親が子供に対する欲求を外した方が、子供はどんどん幸せになっていく。
なぜそうなるかと言うと、一つめはこれから競争社会では無くなっていくから。
すると、親や他人や世の中の期待や評価を気にして動くより、子供自身が自分の好きなことや楽しいことで動く方が、だんぜん流れに乗っていけるの。
その方が、自分の真の幸せを知っている子供になっていく。
二つめとして、時代の価値観や大事なものが今までとは違ってきていることにみんなもう気づいていると思うけど、それはつまり、親なりの価値観で子供に対して抱く欲求が、これから先、子供が幸せになるために確かなものかどうかすらも分からないことに繋がっていくからなの。
もしかしたらその欲求が、子供が自分らしく自分の可能性を楽しむことの足かせになってしまうようなことも起こってしまう」
これを読んでどう思ったでしょうか?
私たち親世代が子供だった時には、親から言われる「こうした方がいい」を受け入れても大丈夫だったこともあったかもしれません。その頃の世界では、まだ自我の意識であるマテリアルマインドの循環が主だったからです。
でも、これからの「それぞれの個性で生きていくことで流れに乗れる」スピリットマインドの循環が主になる世界では、
「今までこうだったから」「これが普通だから」「こうすれば良かったから、同じようにすればいい」は、決して確かなものにはならない、ということなんですね。
大抵の親はいつも子供の幸せを願っています。
子供に対して何かしらの欲求を持つのも、そもそも子供が幸せになって欲しいからですよね。
お子さんをお持ちの皆さんには、
こうなって欲しいと抱いている子供への望み、何かありますか?
でも、もしかして、幸せになって欲しいからこそ抱く親としてのその欲求が、
これからの未来を生きる子供にとって、
逆にその子らしく幸せになることへの足かせになるとしたら………?
子供という自分とは違う個性に対して、親である自分の欲求を押し付けてるんじゃないかな、
と、こうしていつも振り返ってみることは、
特にこれからの時代はとても大切なことなんですね。